来場者として見た問屋EXPO 期待を込めて敢えて厳しく意見する

2月10、11日に問屋EXPO(トンポ)というイベントが開催されました。
よごれんさんのツイートをきっかけに話題となったイベントです。

公式サイトを見た上で、2日目の昼頃と4時半頃に行ってきました。問屋街が栄えていた頃の事は知りませんが、繊維問屋街としてもう一度その頃の活気に近づけることは並大抵のことではないだろうから、どういうアイデアで仕掛けるのかなと非常に興味を持っていたのですが、イベントの様子からはそれがまったく見えてきませんでした。今回は世界の陣ということで「世界」がテーマだったのですが、問屋町4丁目に予定されていた「世界の文化エリア」には赤い布が掛けられた机だけが置いてあるだけで、何一つコンテンツがありませんでした。この内容では、どれだけ人を集めたとしても問屋街の活性化には繋がらないだろうと感じました。

世界の文化エリア

その感想は問屋町・繊維街で現役で働いていると仰っている方のツイートを見てさらに強まり、いったい何をしたかったのだろうと疑問に思うばかりでした。

その後、2月14日に東海テレビの「みんなのニュースOne」で、問屋EXPOの主催者3人の密着ドキュメントが放送されました。
この放送を見て、問屋EXPOは「既存産業をベースとした繊維問屋街としての復興を目指すイベント」ではなく、「街の現状を見てもらい、シャッター街となっている空き店舗にジャンルを問わず出店してくれる若者が現れ、それで問屋街を活性化させる」という目的だったことがわかりました。イベントに参加していたクリエーターの中には空き店舗の出店に関心を持った方もいたとのことでした。繊維問屋街としての活性化ではなく、新しい方に出店してもらって、シャッター街を解消するためのイベントだったようです。
だから、問屋街の商店の人へのイベント周知や参加協力も必要がなかったのだと腑に落ちました。

僕が思っていた目的と違っていたわけですが、ではその目的を達成するためのイベント内容であったかと振り返った時、「空き店舗に出店しませんか」という案内看板や、出店希望者に対する相談窓口みたいなものも見当たらなかったですし、とてもそのような意図があるイベントには見えませんでした。
改めて問屋EXPO公式サイトの「開催のご挨拶」を見ても、「新しい風をいれ」という文言はありますが、そうした目的を感じることはできません。
公式サイトは、アーティストページはしっかり作成されているのですが、その他の、デロリアンとかファッションショー、屋台市、美濃和紙綱引きなど、シャッター街となっている現状を知ってもらうために重要な問屋街で行われるイベントは、リンクボタンがあるだけでページが存在しません。協賛・後援一覧、出展者情報も同様です。
こういったことと、実際現地を見て周って体感したことから、今回のイベントは問屋街の復興という大義名分を掲げて、ただ大規模な音楽イベントがやりたかっただけという印象です。そしてその音楽イベントのラインナップは、Fans’ Eventというマッチングサイトに書いてあった「老若男女国籍問わずあらゆる方たちが楽しめるこれまでにないお祭り」ではなく、プロデュースをしたリュウレックスさんの繋がり頼りだからなのか、好みなのか、明らかにジャンルが偏りすぎているような気がします。
ターゲット層を絞ったということならいいのですが、老若男女へということであれば、もっと幅広いジャンルのラインナップにした方がいいのではないでしょうか。岐阜ならではのイベント色を出すために、落語もいいと思います。落語の祖といわれている安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)は岐阜市生まれ。ちょうど今日決勝大会が行われていますが、落語の甲子園といわれている「策伝大賞」が毎年、長良川国際会議場で開催されているなど落語とのつながりがあります。7月開催の2回目は「日本」をテーマにするということでもありますし、岐阜とゆかりのある日本の伝統文化・落語を、例えば岐阜大学の落語研究会に協力してもらい、音楽の間に一席というのもいいのではないかと思いました。とにかく「老若男女が楽しめる」と謳うのであれば、それにあった内容にしなければいけないのではないでしょうか。

くじ付きお買い物券の賞品が豪華すぎたことも気になりました。そんな余裕があるのなら賞品を削って、1人2百円だったスタンプラリーを無料にし、沢山の人に街の現状を見てもらった方がイベントの趣旨からしてもよかったのに。また、デロリアンに乗車しての写真撮影に1600円とか中途半端なお金を取るより、賞品に充てたお金を回して無料にしてもよかったのではないでしょうか。撮影した人がSNSにアップしてくれることで宣伝になり、来場者増加につながったかも知れないし、他県の人も岐阜で面白いことをやっているなと感じてくれ、いいアピールにもなったはずです。
出店してもらうことがイベントの目的なら、次回以降は、ぜひそのための仕掛けに力を注いで欲しいです。

「みんなのニュースOne」では、主催者3人が「行政に頼らず自らの足で70社の企業や学校などを回り協賛金やスタッフの協力を呼びかけました」と美談のように言っていました。またSNSでは、イベントへの批判に対して「民間主催なのにここまでやってすごい」とか「有志がやっていることだから最初は上手くいかなくても仕方がない」というような趣旨の意見が見られました。主催者代表の林さんもFacebookに「ネットでは批判も多いが何て言われようが我々は誇りに思います。これからもここでは真似できないはず。発言はいいが、行動に起こしてみせてくれ!そういうのも貴重な意見として受け止めておきます。次回みてて!!」と投稿しています。
「悪名は無名に勝る」、「やらないよりはやったほうがまし」という考え方もできますが、今回の場合はいささか問題点が多すぎたように思えます。150メートルとは言え、岐阜駅前の主要道路片側4車線を2日間に渡り封鎖するというのはただ事ではありません。道路使用許可が下りたのはイベント前日ギリギリだったようですし、民間主催だから準備不足でも仕方がないでは済まされないと思います。実際、歩行者天国になった会場の閑散とした状況がSNSで拡散され、「岐阜らしい」と言われることになってしまいました。準備不足で内容の薄いイベントをやることによって「岐阜では何をやってもダメだよね」という空気になってしまうことを危惧しています。
問屋EXPOは行政からの資金の援助はなかったにしろ、後援に「岐阜県 / 岐阜市 / 岐阜市教育委員会 / 飛騨市 / 下呂市 / 瑞穂市 / 海津市 / 本巣市 / 美濃市観光協会 / ZIP-FM 77.8 / 名古屋鉄道株式会社 / 岐阜乗合自動車株式会社 / 岐阜県タクシー協会岐阜支部」といった面々が並んでいることから、行政からお墨付きをもらっているイベントであり、有志のイベントというよりは公的なイベントに近いように思います。現にイベントのオープニングセレモニーには知事、市長、次期市長が出席し、細江市長は「まちのため市民が立ち上がり行政の協力で実現した、あるべき姿だ」と言っています。道路使用許可が下りたのも、後援に行政がいるという安心感が少なからず影響していたのではないでしょうか。
僕は行政に頼ることは決して悪いことではないし、使えるものは堂々と使えばいいと思います。むしろ民間主催の中途半端なイベントになるよりは、しっかりと計画を立案し、行政を口説き、行政の力を借りて中身のある安全なイベントにしていった方がいいのではないでしょうか。それが街の活性化に繋がるのであれば、そこに税金が使われても市民は納得するはずです。

前述した通り、公式サイトの完成度の低さが目につきましたが、それよりも僕が問題だと思うのは、問屋EXPOのTwitter公式アカウントについてですTonya EXPO – gifu & take –は、今日の時点でフォロワー数11,461人、フォロー数165人、ツイート数が43です。
(フォロワー数)ー(フォロー数が)が1万1千以上で、数字だけ見るとすごい人気のアカウントです。しかしこのフォロワーを調べると、大多数がランダムな文字列のユーザーIDでツイート数は0、プロフィール画像は他のTwitterアカウントからのパクリ、プロフィールも他のアカウントをコピペしたもの。わかり易すぎるくらいバレバレなフェイクアカウントです。偽物アカウントを調べてくれるサイト Twitter Auditで調べると98%がFake、Fakersでは85%がFakeという判定結果が出ます。問屋EXPOの場合、 Twitter Auditの98%がFakeという判定結果が近いと思います。こんなフォロワーは自然に付くはずはないので、フォロワー数を購入したと見るのが自然でしょう。

Twitterフェイクアカウント判定

イベントのアカウントのフォロワー数というのは、そのイベントの関心度を知るバロメーターの一つとなります。不正にフォロワーを増やすことができることを知らない人にとっては、1万人のフォロワーがいる問屋EXPOは注目されている人気イベントなんだと思ってしまいます。公式サイトによると問屋EXPOは岐阜に住んでいる人に向けたイベントなので、大雑把に言えば人口40万人の岐阜市の40人に1人が注目しているイベントとなり、市民全員がTwitterをやっているわけではないので実際はもっと多くの人が注目しているイベントなんだと感じるわけです。
「問屋EXPOはフォロワーが1万人以上いる大注目のイベントで、2日間で20万人来場者を見込んでいる」という触れ込みで協賛金やクラウドファンディングでの出資を集めていたのであれば、詐欺だと言われかねません。フォロワー数を判断基準の一つにして協賛金を出していた人が、それが不正に増やしたフォロー数だと知った場合、次回からは絶対協賛したくないと思うと思います。
このアカウントが作られたのは2017年8月で、問屋EXPOの主催者である林さんが代表を務める一般社団法人全日本アーティストグッズ協会主催のクルージングフェスに関するツイートが主なので、当初は問屋EXPO用に運用されていたアカウントではなく、問屋EXPOの開催に合わせてユーザーIDを@tonya_expoに変更した可能性もあり、フォロワーをいつの時点で購入したかは分かりません。きっと電話やFAX、メールなどで、「あなたのアカウントを人気アカウントにします」的な営業が来て、よく考慮せず任せてしまったのだと思います。主催者の方に悪気はなく、無知でやったことかもしれません。実際、僕も知り合いから「丸投げでSNSアカウントを人気アカウントにしてくれるっていう営業が来たんだけどどう思う」とよく相談されます。僕は「絶対に断ってください」と毎回答えています。もし、引き続きこのTwitterのフォロワー購入を提案してきた業者とのお付き合いを考えているのであれば、今すぐ手を切った方がいいです。調べればすぐ分かるようなこんな不正を提案してくる業者は、真摯にお客さんのことを思って仕事をしてくれるわけがありません。問屋EXPOの成功より自分の利益を優先し、結果、問屋EXPOひいては岐阜市民が損をすることになります。
何れにしても、7月の第2回の問屋EXPOに向けて協賛金や出資を集めるのであればその前に、フェイクアカウントはブロックし、正しい数値に戻すべきだと思います。そして有意義な情報を発信したり、岐阜が好きな人、街おこしに関心がある人などと交流や議論をしたりしてファンを増やしていってくれることを願います。疑念を抱かれるようなことはせず、そういうことを地道にやっていくことで、リアルな繋がりの人だけではなく、幅広くたくさんの人が賛同し、協力してくれて、大きな波になると思います。
(ちなみに、フォロワーを購入することは、Twitterルールの違反となりますので、アカウントを凍結される可能性もあります。)

主催者代表の林さんのFacebookの投稿内容に不安を感じたよごれんさんが、林さんにコメントをしてくれました。

林さんからの返信の引用です。

「昨日から問屋町の一部は建て壊しが始まりました。他にも地上げ屋がたくさん声をかけてきています。このままでは本当に駅前の問屋町はなくなってしまう状況です。だからこそ1日でも早くアクションを起こそうとしました。事情はありますが、準備不足が目立ち不備が多かったことが事実です。」

実際、昨日問屋街を通ったら解体工事が始まっていました。

問屋街がどんな問題を抱えていて、今何が起きようとしているのか、詳しいことは分かりませんが、林さんなりに問屋街を守りたいという思いで行動されたのだなと思いました。
問屋街が昔ながらのカタチのまま存続した方がいいのか、それとも取り壊して新しいものにした方がいいのかというのはとてもシビアな問題で、僕自身、問屋街や柳ヶ瀬などの中心市街地をどうするのが未来の岐阜にとっていいのだろうと、町おこしの話題を目にするたびに考えます。

ここまで批判的なことをたくさん書いてきましたが、決して足を引っ張りたいわけではありません(Twitterのフォロワー購入について書いてある下りについては、削除したほうがいいという状況になれば削除するつもりです)。
僕の好きな岐阜が、周りの子供たちが大人になったとき、より良い街になっていてほしいという願いで書いています。おかしいと感じたことに目をつぶって「問屋EXPO頑張ってるよね。応援してます!」と、エールを送るより、感じたことを書き問題提起をした方が岐阜や問屋街のためと思ったからです。そして部外者ですけど、岐阜に住む者として胸を張って誇れるイベントにしてほしいと思っています。
ネットでの批判の中には明らかに冷やかし的なものもありましたが、その多くに僕は岐阜への愛が感じられました。一つ言えるのは、問屋EXPOの関係者の方も、ネットで批判している方も、岐阜が好きという気持ちは同じだということではないでしょうか。
主催者の方はネットで批判している人を抵抗勢力と思わず、もう一度今回のイベントのどこに問題があり、なぜ多くの批判が出たのかをよく考えて、7月14日(土)15日(日)7月15日(日)16日(月)(日程が変更になったようです)の第2回問屋EXPOに活かしてほしいなと思います。
イベントが成功だったのかどうかの答えは数十年後になるような忍耐のいる活動になると思います。私欲ではなく、岐阜のことを第一に考えていると伝わってくるイベントであれば、すぐに効果が出なくても部外者の方も温かく応援してくれるはずです。


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