FC岐阜 ホームスタジアム長良川競技場の受動喫煙問題について

4月28日にFC岐阜のホームスタジアムである長良川競技場にサッカー観戦に行き、ハーフタイムにトイレへ行った際に目にした驚きの光景。


左側がトイレでトイレ待ちの行列ができています。右側が喫煙所

FC岐阜のホームスタジアム長良川競技場 トイレ側から見たトイレ横の喫煙所
トイレ待ち時にトイレ側から見た喫煙所

バックスタンド側のトイレのすぐ前にビニールテープで区切られた喫煙所があり、4つほど置かれていた灰皿を大勢の喫煙者が囲みタバコを吸っていました。1枚目の写真の左側にトイレがあり、トイレ待ちの行列には子供もたくさん並んでいます。2枚目の写真はトイレ待ちの列から撮った写真です。
「スポーツ=健康」というイメージがあり、サッカースタジアムは受動喫煙対策がしっかり行われているものだと思っていたので、この光景はかなりの衝撃でした。「いったい、いつの時代だよ」と。
このままでは良くないのではないかと思い、FC岐阜への問題提起という意味も込めてTwitterで以下のツイートをしました。


このツイートに対して、同じ様に感じてくださる方や、以前から不快に思っていた方から次のようなツイートがありました。

FC岐阜だけが遅れていると思ったのですが、他のJクラブでも同じ様な問題があるようで、むしろ受動喫煙対策に積極的に取り組んでいるクラブの方が少なく、調べた限りでは横浜F・マリノスが2012年から全面禁煙、清水エスパルスが2018年7月18日からスタジアム内を全面禁煙にしたとのこと。Jリーグが全体的に遅れているのだと知りました。

それから約1ヶ月後の5月26日にFC岐阜の試合を観に行くと、トイレ横にあった喫煙所が別の場所に移動されていました。1ヶ月後といっても、ツイートから2試合目のホームゲームなのでスピーディーな対応です。

ハーフタイム時にトイレ横の喫煙所から散策コース沿い移動した場所のマップ
ハーフタイム時に限りトイレ横からスタジアム外に設置された喫煙所に移動

トイレ横の元喫煙所でスタッフが前半30分~後半15分まで外に出られる再入場券を渡し、その間はスタジアム外に移動した喫煙所でたばこを吸うようにしてありました。出入りの人数も数えており、データを取りながら色々試しているのか、外に出られる時間は、次開催の6月2日は前半40分~後半10分まで、6月17日は前半30分~後半15分まで、その後7月29日までの4試合は前半40分~後半10分までと変更になっていました。

ハーフタイム時にスタジアム外の喫煙所に行けるようにトイレ横で整理券を渡している
スタジアム外の喫煙所に行けるよう、ハーフタイム時に再入場券を配っていました

これでハーフタイムにトイレに行く際の受動喫煙は回避できるようになりましたが、それ以外の時間帯は、元のトイレ横に喫煙所が設置されています(2018年7月29日時点)。

FC岐阜のホームスタジアム長良川競技場トイレ横のハーフタイム以外の時間帯の喫煙所
試合開始20分前のトイレ横 ハーフタイム以外の時間帯の喫煙所

FC岐阜のホームスタジアム長良川競技場トイレ横のハーフタイム以外の時間帯の喫煙所
試合開始20分前のトイレ横 トイレ横 ハーフタイム以外の時間帯の喫煙所(写真下側がトイレ)

ハーフタイム以外は人が少ないからいいだろうという考えなのでしょうか。しかし、ハーフタイム以外の時間でも喫煙する人もいればトイレに行く人もおり、受動喫煙を避けられません。特に試合開始前の時間は顕著です。

Jリーグのスタジアム検査要項の喫煙スポットという項目には「観客動線から隔離でき、アクセス可能な場所に設置すること」となっており、トイレ横の喫煙所は「観客動線から隔離」という条件を満たしていない気がします。

Jリーグのスタジアム検査要項の喫煙スポット

また、移動した喫煙場所もそこはそこで問題があります。

ハーフタイム時に散策コース沿いに設置された喫煙所
散策コース沿いに設置された喫煙所、散策コースに喫煙者が溢れていました

喫煙所は散策コース(ジョギングコース)沿いに設置してあり、前半終了直後はたくさんの人が来るため仕切りに入り切らず、散策コースまで溢れ喫煙しています。そこはFC岐阜の試合を観に来た人以外も通る場所であり、散歩やジョギングをしている人などが強制的に受動喫煙させられる状況です。

また、バックスタンドの裏にあるので風向きによってはスタジアムにいる人も受動喫煙させられます。それに喫煙所が設置されている場所のすぐ上は車椅子エリアになっており、体調がすぐれない方も観戦しておられるということも考慮しなければいけないと思います。

喫煙所の近くにある車椅子エリア
喫煙所のすぐ上は車椅子エリアになっています

サッカースタジアムには、子供、妊婦さん、授乳中の人、体の不自由な人などいろんな人が来ます。たばこにアレルギーがある人もいます。個人的には受動喫煙をさせてしまう場所にしか設置できないのであれば喫煙所を設けるべきではなく、完全分煙できる喫煙室を作るか全面禁煙のいずれかしかないと思います。
(詳しくは次の記事で書きますが、公共のスポーツ施設は喫煙者の方に受動喫煙や自身の健康について考えるきっかけとなる場になるべきではないでしょうか。

スタジアムでの受動喫煙は、飲食店などの室内に比べれば被害は少なく、「細かすぎる」と思われる方もいるかと思いますが、僕はFC岐阜にはそこまで気にしてほしいなと思います。
FC岐阜は、ホーム試合開催時に様々なイベントをやったり、屋台村のスタジアムグルメを充実させたりして、試合だけでなく会場はテーマパークのような楽しい場となっています。子供たちに楽しんでもらおうと芝生広場を上手に活用していて、来場者増、ファン拡大のために頑張っているなと思います。そうした面はとても努力していると感じる一方、スタジアムに足を運ぶたび、来場者を増やすために改善できる問題点がたくさんあると感じました。その一つがこの喫煙所の問題です。他のクラブも受動喫煙対策に真剣に取り組んでいないのだからいいだろうと、来場者の安全・健康を見過ごしてしまうようでは、その他の問題にも気づけず、解決できず、ファンは増えていかないだろうと思うからです。

新時代を拓く」、これはFC岐阜の2018年シーズンのスローガンです。
JT(日本たばこ産業)が先日発表した2018年「全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人喫煙率が17.9%という今、「新時代を拓く」をスローガンにしているクラブが冒頭からの写真のような光景をそのままにしているのはどうなんでしょうか。受動喫煙が身体に悪いというのはエビデンスもあり、疑いようがない事実です。厚生労働省の研究班が受動喫煙が原因で死亡する人は国内で年間約1万5千人に上るとの推計も出しています。2017年の交通事故による死者数が3,694人なので交通事故死者数の約4倍です。

日本では受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡
厚生労働省HPより

スポーツ科学の研究が進み、トレーニング、戦術、スカウティング、メンタルケアから食事に至るまで、選手たちがより高いパフォーマンスを発揮できるように科学的根拠に基づいた最先端の技術を導入し、時代に応じた改革を進めているのだと思います。チームやピッチ内だけではなく、スタジアムも同様に時代に合わせた変化が必要なのではないでしょうか。

僕はFC岐阜にとって今一番大切なことはファミリー層を中心にライトなファンを増やすことだと思っています。J1に昇格することもスポンサーを集めることも大切ですが、まずは幅広い県民から愛されるクラブになり、結果、企業にとってメリットが多いからスポンサーが増える、スポンサー収入が増えるから、練習場やクラブハウスなどの環境が整い、選手の育成や良い選手の獲得ができ、盤石な土台を築いてからステップアップしてJ1の常連クラブを目指すというのが理想であり現実的だと思っています。
家族でFC岐阜のスタジアムに遊びに行った楽しい思い出を持つ子供たちが大人になった時に、自分の子供を連れてサッカー観戦に行く。そうしてFC岐阜が地域に根付いていくといいなと思います。

FC岐阜、屋台村のスタジアムグルメ

長良川競技場 FC岐阜のナイターゲーム

受動喫煙については、FC岐阜だけではなく、スタジアムのある岐阜メモリアルセンター(岐阜県所有)にも問題があると感じたので、次の記事にまとめます。


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